
身近な友人ががんになったら、もしくは身近な人の家族ががんになった話を聞いたら、
どう接していいか戸惑うかもしれません。
踏み込んで話を聞いてもいいのか、あまり触れないほうがいいのか、悩みますよね。
国立がん研究センター がん対策情報センターの出している
「身近な人ががんになったとき」の冊子を参考に、私が実際経験している事も入れて文章を書きます。
参照:https://ganjoho.jp/public/index.html
悩んでいる人の助けになれれば幸いです。
がんになったと告白されたら
自分の病状など詳しく話したい人もいれば、詳しく話したくない人もいます。
もし詳しく話したい人なのであれば聞き役になってください。
心境がどういう状態なのか、がんの進行はどの程度なのか、どんな治療をしているのか。
話しを聞いた時、あなたに正しいがんについての知識が無い場合は無理に何かを言う必要はありません。
まずは正しいがんの知識を勉強しましょう。
もし詳しく話したくない人であれば、違う話題に変えてください。
自分や家族ががんになると毎日病気の事ばかり考え、重い気持ちになってしまいます。
せめて友人と会っているときぐらいがんの事を考えないで過ごしたい、と思う人もいるでしょう。
基本的にはこれまでと変わらぬよう、同じように接してください。
もちろん体調を気遣う必要はありますが、多くの患者さんやご家族は出来るだけ今までと変わらぬ接し方を求めている方が多いです。
がんは2人に一人の病気
がんの予防策というのはいろいろ情報が出ていますが、予防策をしていても、健康に気を使っていてもがんになる人はいます。
がんになったからと言ってタバコを吸っていた、運動をしていなかった、食生活に気を付けていなかった、というわけではありません。
いくら予防策をしていてもがんにならないようにすることはできないのです。
がんと言われた本人とその家族の心境
がんと診断されたとき、本人はもちろん家族も
「何かの間違いではないか」「信じられない」「どうして」「これからどうなるのだろうか」
と戸惑い大きなストレスになります。
しばらくは大きく落ち込みますが時間が経過することで今後の検査や治療方針の事など前向きに考えられるようになってきます。
お見舞いは相手の体調を第一に考えて
がんになった、手術をすることになった、治療を始めた、と聞くとお見舞いに行かなければと思うかもしれません。
そういう時は患者さんやご家族に相談し、治療スケジュールや体調などを第一に考慮しましょう。
「今はお気持ちだけで」という返事が返ってくる場合もあると思います。
体調がすぐれない日が多い、治療スケジュールの関係で とお断りされる理由も様々です。
とくに入院中となると検査などで病室にいない時間もあります。
もし会えないという場合は様子を見て次回を伺うか、お手紙や家族への伝言などで気持ちを伝えておくのもいいと思います。
特に余命宣告などをされている場合は「今会わなくては!」と気持ちだけ焦るかもしれませんが、患者さんやご家族の気持ちを第一に優先しましょう。
自分の事を気にかけてくれている人が居る、と思うだけで患者さんやご家族はうれしい気持ちになるものです。
相談を受けたら
医師からの説明で頭がパンクしそうになるときもあります。
情報を集め、納得のいく治療方針を選ばなくてはなりません。
1度決断しても「これでよかったんだろうか」と悩んでしまったりします。
そんな時、あなたの意見を聞きたいと思う事もあるかもしれません。
不安になっていること、悩んでいることをしっかり聞いてあげてください。
自分の気持ちを誰かに聞いてもらう事で落ち着いたり、頭の整理が出来たりすることがあります。
がんには予告がある。
ちょうどこの記事を書く1年ほど前に父ががんになりました。
早期発見ではなかったのですが、手術するのか、薬物治療するのか、大きな選択に家族みんなが迫られました。
大きな病院の一室に集められ、現在の父の体の状況、今後の治療方法など難しい話を何時間も聞きました。
手術をした場合のリスク、薬物治療した場合のリスク、日々いろんな検査を繰り返し、家族みんなが心身ともに疲れました。
現在は余命宣告を受け、薬物治療を進めています。
あとどのくらい一緒に居れるのかわかりませんが、今は父にしてあげたい事をいろいろ実現するために過ごしています。
後悔しないように。それが家族の思いです。
父も現在、抗がん剤治療を進めながら終活をしています。
墓じまいや財産の整理など。
残る家族の事を考えてくれています。
父が近いうちにいなくなってしまうかもしれない、という事はすごく寂しいことではありますが、余命宣告という命の予告をされている分、親孝行をする時間を与えてもらっているのだと思うと幸せなのかなと思います。
突然の病気や事故で死んでしまうわけではないのですから。
後悔しないように、親孝行に励もうと思っています。